令和7年度予算概算要求の内容について、人事労務の視点から重要となるポイントを解説します。
予算概算要求の内容
今回の予算概算要求は、一言で表すと「人が中心の社会の実現」に向けた内容となっており、以下の3つの柱で構成されています。
1. 全世代型社会保障の実現に向けた保健・医療・介護の構築
・創薬力強化、医薬品等の安定供給確保
・医療・介護におけるDX推進、地域医療・介護の基盤強化
・国際保健分野におけるリーダーシップの発揮、感染症対策体制の強化
高齢化が加速する中、医療・介護分野の充実とDX推進は、従業員の健康維持と生産性向上に直結する重要な課題です。企業として、これらの政策を注視し、健康経営や働き方改革に積極的に取り組んでいく必要がありそうです。
2. 持続的・構造的な賃上げに向けた三位一体の労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進
・最低賃金・賃金引上げに向けた中小企業支援、非正規雇用労働者への支援
・リスキリングによる能力向上支援、ジョブ型人事導入、成長分野への労働移動円滑化
・人材確保支援、高齢者の社会参加促進、外国人材の就職支援
・障害者・高齢者等の活躍促進、仕事と育児・介護の両立支援
・ハラスメント防止対策、フリーランスの就業環境整備
・女性活躍促進
中小企業にとって、賃上げと人材確保は喫緊の課題です。今回の予算案では、これらの課題解決に向けた様々な支援策が盛り込まれています。特に、リスキリングやジョブ型人事制度導入への支援は、企業の人材戦略を大きく転換させる可能性を秘めています。積極的に活用し、従業員の能力開発と賃上げを実現していきましょう。
3. 一人一人が生きがいや役割を持つ包摂的な社会の実現
・相談支援・地域づくり等による重層的支援体制整備
・生活困窮者自立支援
・障害者支援の促進、依存症対策の推進
・成年後見制度の利用促進、総合的な権利擁護支援
・困難な問題を抱える女性への切れ目のない支援
・自殺総合対策、ひきこもり支援
・戦没者の慰霊・遺族等への援護
・安心できる年金制度の確立
・被災者・被災施設への支援
誰もが安心して暮らせる社会の実現は、企業にとっても重要な課題です。社員が安心して仕事に集中できる環境を作るためにも、これらの政策を理解し、地域社会への貢献も積極的に検討していく必要があるでしょう。
まとめ
今回の予算概算要求は、「人への投資」 を中心とした内容となっています。積極的に活用し、従業員が安心して働き、能力を最大限に発揮できる環境を整備していくことが、企業の成長、そして日本社会全体の活性化に繋がると考えられます。
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