日本のIT化は遅れていると言われていますが、私たちにとって「デジタル」「IT」「DX」というのは、誰かに言われたり推進されて、やっと重い腰を上げて取り組めるような事なのかもしれません。
デジタル臨時行政調査会がデジタル社会の実現に向けた5つの原則を策定
令和3年12月22日、首相官邸において「第2回 デジタル臨時行政調査会」が開催されました。
今回の会議で、デジタル改革、規制改革、そして行政改革の共通指針として、デジタル社会の実現に向けた構造改革のための5つの原則が策定されています。
政府は改革を進め、人手不足等の現場の課題の克服を促し、新しい資本主義実現に向けた成長を実現していくとしています。
5つの原則
原則① デジタル完結・自動化原則
書面、目視、常駐、実地参加等を義務付ける手続・業務について、デジタル処理での完結、機械での自動化を基本とし、行政内部も含めエンドツーエンドでのデジタル対応を実現すること。
国・地方公共団体を挙げてデジタルシフトへの組織文化作りと具体的対応を進めること。
原則② アジャイルガバナンス原則(機動的で柔軟なガバナンス)
一律かつ硬直的な事前規制ではなく、リスクベースで性能等を規定して達成に向けた民間の創意工夫を尊重するとともに、データに基づくEBPMを徹底し、機動的・柔軟で継続的な改善を可能とすること。
データを活用して政策の点検と見直しをスピーディに繰り返す、機動的な政策形成を可能とすること。
原則③ 官民連携原則(GtoBtoCモデル)
公共サービスを提供する際に民間企業のUI・UXを活用するなど、ユーザー目線で、ベンチャーなど民間の力を最大化する新たな官民連携を可能とすること。
原則④ 相互運用性確保原則
官民で適切にデータを共有し、世界最高水準のサービスを享受できるよう、国・地方公共団体や準公共といった主体・分野間のばらつきを解消し、システム間の相互運用性を確保すること。
原則⑤ 共通基盤利用原則
ID、ベースレジストリ等は、国・地方公共団体や準公共といった主体・分野ごとの縦割で独自仕様のシステムを構築するのではなく、官民で広くデジタル共通基盤を利用するとともに、調達仕様の標準化・共通化を進めること
構造改革のためのデジタル原則の点検の方向性
①デジタル完結・自動化原則
1-1 紙の介在(書面、原本等)を見直し、申請・通知のデジタル化を基本とするとともに、行政内部のデジタル化を徹底すること
1-2 人の介在(対面、常駐、資格者配置、拠点設置、目視、立入等)を見直し、点検等の遠隔実施、自動化・機械化等の最大限のデジタル化を基本とすること
1-3 ルールをデジタルデータ化し、可能なものはアルゴリズム化することにより、機械判読可能な形で提供すること
②アジャイルガバナンス原則(機動的で柔軟なガバナンス)
2-1 一律の様式、手法や基準(定期点検・検査等)を撤廃し、求める性能のみ規定することで、リアルタイムモニタリング等の技術活用によるコンプライアンス確保を基本とすること
2-2 資格要件としての学歴、経験や体制整備等に関する一律基準を撤廃して精緻化し、技術力やデジタルリテラシーによる代替を認めること
2-3 AI時代の安全管理手法を見直し、モニタリング・制御ソフトウェア導入、ログ保存、事故原因究明協力等の制度を整備すること
2-4 AI時代の事故責任分担について法制度・保険制度・公的救済等を含めた一体的な仕組みを整備すること
③官民連携原則(GtoBtoCモデル)
3-1 行政サービス提供に際しベンチャーなどの民間企業のUI/UXやサービス活用を基本とすること(GtoBtoC)
3-2 公共・準公共サービスのデータ基盤はAPIを公開することを基本とすること
3-3 マルチステークホルダーによるガバナンス(第三者認証、監査、共同規制、自主規制等)の導入を拡大すること
④相互運用性確保原則
4-1 書式・様式を撤廃してデータモデル化し、システム間のデータ再利用を基本とすること
4-2 API公開・接続義務等によりシステムを疎結合化・簡素化し、ロックインを回避すること
4-3 域外適用、非対称規律解消、課徴金・制裁金の実効性確保等により、国家としての主権の確保にも留意しつつ国内外のイコールフッティングを確保すること
4-4 国際規格への準拠、国、地方公共団体、準公共間におけるルールの整合性を確保すること
⑤共通基盤利用原則
5-1 IDを含むベースレジストリを特定し、その参照・利用を徹底すること
5-2 目的外利用規制を整理することで、システム間のデータ再利用を可能とすること
5-3 標準データ様式や調達仕様等は共通モジュールを再利用すること
5-4 法令用語・タクソノミー(分類)の統一を図ること
デジタル庁