厚生年金受給開始後の働き方に関する意識調査

はじめに

内閣府が実施した「生活設計と年金に関する世論調査」によると、厚生年金受給開始年齢に達しても、4割超の労働者が就業調整をしながら働きたいと考えていることが明らかになりました。本記事では、調査結果をもとに、高齢者の雇用促進策や働き方改革にについて考えます。

厚生年金受給開始後の希望する働き方

調査対象者における、厚生年金受給開始後の希望する働き方としては、以下の回答がありました。

  • 年金額が減らないように、就業時間を調整しながら働く(44.4%)
  • 年金額が減るかどうかにかかわらず、会社などで働く(14.0%)
  • 会社などで働かず、自営業主・自由業などとして働く(9.1%)

この結果から、多くの労働者が、受給開始後も何らかの形で働き続け、収入を得たいと考えていることがわかります。特に、「年金額が減らないように、就業時間を調整しながら働く」という選択肢が最も多く、これは、年金受給額への不安や、生活費を補うための必要性などが背景にあると考えられます。

就業時間を調節しながら働くことを希望する人々の詳細

男女別

男性41.9%、女性46.6%と、女性の方が希望する割合が高い傾向が見られます。

年齢階級別

30~39歳が64.1%と最も高く、以下50~59歳、40~49歳と続きます。これは、若い世代ほど、老後の生活費への不安が大きいことが影響している可能性があります。

希望する就労形態

61歳以降も収入を伴う仕事をする場合、希望する就労形態としては、「期間従業員、契約社員、派遣社員を含む非正規の職員・従業員」が39.5%で最も多く、「役員を含む正規の職員・従業員」が34.9%と続きます。これは、柔軟な働き方を求める声の反映と考えられます。

調査結果から考える

高齢者の雇用促進策

調査結果から、高齢者であっても、就業意欲の高い労働者が多く存在することが明らかになりました。会社は、次のような高齢者の雇用促進策を検討することで、人材不足の解消や、多様な働き方を実現できる職場環境づくりに貢献することができます。

シニア向けの雇用形態の導入:短時間勤務制度、嘱託制度、フリーランス制度など、多様な働き方に対応した雇用形態を導入することで、高齢者のニーズに合致した働き方を支援することができます。

健康管理・休暇制度の充実:高齢者の健康維持やプライベートと仕事の両立を支援するため、健康診断や休暇制度などを充実させることが重要です。

スキルアップ支援:高齢者のスキルアップを支援することで、新たな仕事に挑戦できる機会を提供することができます。

今後の課題

高齢者の雇用促進や働き方改革を実現するためには、社会全体で取り組むことが重要です。政府による制度整備や、企業による積極的な取り組みだけでなく、地域社会や個人の意識改革も必要となります。

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この記事を書いた人

練馬区のワダ社会保険労務士事務所

地域密着型の社会保険労務士として、主に中小企業のみなさまをのお手伝いをしています。
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