女性活躍推進とハラスメント対策の最新動向

はじめに

近年、女性活躍推進は企業にとって重要な経営課題の一つとなっています。しかし、男女の賃金格差や管理職の女性比率の低さ、ハラスメント問題など、依然として多くの課題が残されています。

厚生労働省は、これらの課題を解決するため、「雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会」を設置し、議論を進めています。本記事では、この検討会で議論されている内容や、福岡県における取り組み事例などを紹介し、中小企業の社長や人事部の方向けに、女性活躍推進とハラスメント対策の最新動向について解説します。

女性活躍推進法の現状と課題

女性活躍推進法は、2016年から施行されている時限立法です。2026年3月末で失効予定でしたが、2019年の改正法により、行動計画の策定義務や情報公表義務の対象企業が拡大、パワーハラスメント防止措置義務の新設など、法内容が充実してきました。

しかし、依然として男女の賃金格差は大きく、女性の管理職比率も国際的に低い水準です。また、都道府県労働局に寄せられるハラスメント相談件数も高止まりしており、2023年度には13万件に達しました。厚生労働省の調査によると、顧客などからの著しい迷惑行為(カスハラ)を受けたことがある労働者も少なくありません。

検討会における議論内容

「雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会」では、女性活躍推進に関する現状と課題を改めて整理し、めざすべき方向性と対応について議論されています。2月29日に行われた初会合では、以下の点が主な論点となりました。

・生理や更年期障害など女性特有の健康問題への対応
・カスハラを含めたハラスメント対策の強化

福岡県における取り組み事例

福岡県は、在宅医療・看護の現場における利用者や家族からの暴力・ハラスメント対策として、以下の取り組みを計画しています。

・訪問同行者を派遣する際の費用支援
・相談窓口の設置
・管理者・従事者双方に向けたハラスメント対策研修の実施
・利用者宅にて身の危険を感じた際、外部にSOSを発信できる機器の導入支援
・暴力・ハラスメントのおそれがある利用者宅を複数人で訪問できるようにするための同行者費用の支援金制度の新設
これらの取り組みは、2024年度から実施される予定です。

まとめ

女性活躍推進とハラスメント対策は、中小企業にとっても重要な経営課題です。厚生労働省の検討会や福岡県の取り組み事例などを参考に、自社に合った対策を検討していくことが重要です。

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この記事を書いた人

練馬区のワダ社会保険労務士事務所

地域密着型の社会保険労務士として、主に中小企業のみなさまをのお手伝いをしています。
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